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最近の手術創閉鎖法

昔は手術の傷といえば糸で皮膚までしっかり縫っていたものです。これはしっかりと縫える反面、糸で締め付けられた皮膚の血流が悪くなり瘢痕となります。よくお風呂屋さんで「ハシゴのような傷をもった方を見かけますね。その後簡便さと傷の綺麗さのためにステープラーと言われるホチキスみたいなもので傷を閉じるようになりました。ただこの場合も皮膚を貫いて異物で閉じているので表皮の雑菌が入ったり、傷の痛みが続いたりします。

巽病院では傷がなるべく綺麗に、そして痛みが少ないように2009年後半から吸収糸を使って真皮のみに糸をかけて縫合する真皮縫合法を採用しました。この方法ではいわゆる抜糸はひつようありませんし、理想的な創傷治癒がおこるため、驚くべき事に創感染(傷が化膿する)がほとんど起こらなくなりました。

2009年 巽病院手術件数

病院のホームページにも載せましたが、2009年の手術件数は150例を越え、うち全身麻酔の手術も約100例となりました。特に腹腔鏡手術は前年と比べて倍増しています。さらに最新の外科手術を地域の皆様に提供していきたいと考えています。

Single Incision Laparoscopic Surgery

SILS手術-へそからの腹腔鏡下手術-は、2009年春、アメリカ内視鏡外科学会にて大きな話題となり、日本でもそれ以降いくつかの先進施設で行われるようになった手術です。

従来の胆石症、胃癌、大腸癌等に対して行われている腹腔鏡手術は、直径10mmや5mmの筒(トロッカーといいます)を3-5本お腹に挿入して、そのうちの1つより腹腔鏡をお腹にいれて、ほかのトロッカーから様々な器械をいれて行う手術です。これだけでも大きくお腹を切開する開腹手術に比べると、かなり創も小さく、低侵襲なのですが、最近、お臍を切開して2cm程の創を作り、そこから腹腔鏡をふくめすべての器械をいれて行うSingle Incision Laparoscopic Sugery (SILS)が開発されました。

この手術では、創はお臍の中ですので、術後は全くお腹に創がないかのようになります。まだまだ胃癌や大腸癌などの複雑な手術は無理ですが、炎症や癒着のない胆石症、急性虫垂炎などはこの手術が十分可能だと思われます。特に女性には創がほとんど目立たないので、適しているのではないかと思われます。先日この手術を開始し、胆石症の患者さまにさせていただきました。

鼠径ヘルニア手術

以前から鼠径ヘルニア手術にメッシュプラグという補強剤を用いていましたが、2009.8からよりコンパクトで、かつ半分は吸収糸で作られたメッシュを使った術式に変更します。欧米でのデータではこれまでのメッシュプラグと比べて術後の異物感が少ないようで、日本では今年の春に認可されています。

消化器外科学会2009(大阪)

7月には大阪で消化器外科学会があり参加してきました。今年になって創を一つですませるsingle port surgeryという手術が話題になっています。患者さんの体の傷はほとんど目立たなくなるのでいいのですが、さらに高度な腹腔鏡手術のテクニックが必要になります。巽病院でも準備を徐々に進めていこうと考えています。

外科学会 2009(福岡)

4月2-4日福岡であった109回日本外科学会でビデオ発表してきました。自分の専門領域以外では鼠径ヘルニア手術の現状、胃癌の腹腔鏡下手術等のセッションを聞いてきました。手術用の器械や縫合糸などもどんどん進歩しています。いままではアメリカで開発・発売されても日本に入ってくるのは1年以上かかっていましたが、最近はほとんど同時に認可されるものも増えてきました。

SAGES 2009

今年もアメリカ消化器内視鏡外科学会に演題がアクセプトされました。4月の後半にアリゾナのフェニックスに行く予定です。

2008年手術症例数

2008年の手術数は114例でした。詳細は病院のHPに近日中にアップさせていただきます。下にも書きましたが、数ではなく、内容が大切だと思っています。大きな合併症もなく、皆さんが手術後元気になられることが大切です。2009年はさらに充実した、最近大きな病院では難しくなったきめ細やかな医師ー患者さんの関係を築いていきたいと考えています。

手術件数 100例突破

2008年11月中旬に今年の手術件数が100例を突破しました。数が問題ではなく、治療内容の充実に努めていきたいと考えています。

池田医師会講演